映画・本などの感想

アラサー事務員の感想アウトプット。

(本感想)あなたと読む恋の百首

***映画・本・漫画のネタバレあります***
 
【作品名】
あなたと読む恋の百首 (俵万智)
 
【見た日・読んだ日】
2018-08-25
 
【種類】 
 ■本(和) 出版社(文春文庫) / □映画(和・洋・アニメ) (吹替・字幕) (2D・3D) 制作会社()
 
【内容】
 [映画] □オリジナル □原作もの □漫画(未読・既読)
 [本] □漫画 □小説 □ノンフィクション □エッセイ □伝記 □社会 □実用 ■他(書評?)
 [アニメ] □漫画原作 □オリジナル
 
【テーマ】
 
【キーワード】
短歌/恋
 
【鑑賞】
 □紙本購入 □Kindle □劇場 □TV □BD/DVD □オンデマンド ■他(図書館)
 
【読書・鑑賞理由】
 □口コミ □シリーズ □リピート □キャスト □なんとなく ■他(友人のススメ)
 
【要素】
  □泣けた □笑えた ■キュンとした ■考えさせられた □すっきりしない
 
 【my評価】
 ★5:語り切れない・円盤欲しい
 ★4:もう1回見たい・人に勧めたい
 ★3:お金払う価値はあり
 ★2:レンタルでいい
 ★1:見なくてもよかった
 
 全体     ★★★★★
 ストーリー  ☆☆☆☆☆
 キャラクター ☆☆☆☆☆
 テンポ    ☆☆☆☆☆
 世界観    ☆☆☆☆☆
[映画・アニメ]
 演出     ☆☆☆☆☆
 音楽     ☆☆☆☆☆
 キャスト   ☆☆☆☆☆
 映像     ☆☆☆☆☆
[漫画]
 絵      ☆☆☆☆☆
   ()      ☆☆☆☆☆
 
【(主観)この作品のポイント】
紹介された歌を読みながら、己の恋愛観や過去の恋愛にふれることができる、手元に置いておきたくなる作品。10年後にもう一度この本を読みたい。そのときは、おそらくそれぞれの歌に今とはまた違った印象を抱くとおもう。
 
 
【好きなセリフ、好きなシーン、気に入ったところ】【感じたこと等】
※歌をまるまる載せるのはどうかと思うので、それぞれ冒頭部分と作者のみ。
 
 
「赦せよと 請うことなかれーーー」松実啓子
 
裏切った人間を、ゆるすのとゆるさないのと、どちらが愛情が深いのか。
俵さんは、ゆるすことはあきらめること。つまりおわり、恋愛関係のピリオドであると言っている。あきらめずゆるさず愛し続けるほうが、多くのエネルギーを使うとも。
たしかにそうかもしれない。だいたいの場合において、「ゆるさない」ことは疲れる。そのエネルギーを相手にかけられることこそ、愛の深さなのかもしれない。
 
 
「いつかふたりになるためのひとりーーー」浅井和代
 
この歌、リズムが心にしっくりくる。口語自由律の面白さを感じる。
深いことを言っているようでかんたんなような、でも複雑なような…
読み手によって受け取り方が大きくかわる一首という印象。
 
 
「ゆるされてやや寂しきはしのび逢うーーー」岡本かの子
 
ふたりの恋を阻む障害があるからこそ、燃えることもあるよね。このせつなさを「深きあはれ」と表現する岡本さん、すごい。これまたしっくりくる。
学生時代、周りに内緒で付き合っていた男の子がいたとき、ちょっとこんな感じを味わった。今はそんなこともなく、ただただ平穏に幸せだけど、そのときの苦しさがあるからこそ、今のおだやかな時間を、より「しあわせ」だと実感できるんだろうなあ、と思っている。
 
 
「たとふれば心は君に寄りながらーーー」紀野恵
 
この一首の紹介で、「愛しかたよりも、別れかたのほうに、その人の本質がでる」という言葉があった。好きなときにはみんな努力も我慢もできるが、別れのときは恋愛の清算だから個性がでる。
私の場合は、相手の連絡先までは消さないが、SNSでつながっていたらそれらはすべて断ち切る。連絡は不必要にとらない。なぜなら、別れてからの互いの状況を知りたくないから。状況を知られたくないのは、自分が幸せになっている姿を見て恨まれたくないから。逆もしかりで、わたしも相手が幸せな姿を見て恨めしく思いたくない。お互いのその後を知らず、それぞれ「相手は自分と一緒にいた時間が一番幸せだっただろう」と思いこむくらいが平和でいいのではないかと思う。これが私の本質であるのならば、ドライな人間だね。…当たってる!
 
 
「観覧車回れよ回れーーー」栗木京子
 
女子生徒に圧倒的人気だった、というのが頷けるくらい心がキュッとした。
片思いのせつなさを思い出す。小学生の頃、好きな男の子と同じ放送委員になって、週に1回ふたりきりで放送室で給食を食べる時間が幸せだったなあ。自分にとっては極上の時間だったけど、相手にとってはただ教師の目から逃れられる自由な時間だったんだろうな。
 
 
「新妻の笑顔に送られーーー」
 
日常の一瞬を切り取った、現代らしい一首。この歌を読んで、この詠み人の他の作品も気になった。
 
 
 
*****
図書館で借りたけれど、手元に置いておきたくなったので、購入予定。文庫版はサイズもコンパクトでありがたい。結婚して落ち着いた後も、ときどきこういった本で恋の感覚を思い出すのは大切な気がする。